なぜ音楽はTシャツになるのか

CAVEMAN PRINT & CULTURE #03


なぜ音楽はTシャツになるのか

音楽とTシャツって、かなり強く結びついていると思っています。

ただのグッズじゃなくて、もっと根っこのところで繋がっているというか。
自分の中でその感覚がはっきりしたのは、中学生の頃でした。


— 初めて買ったThe ClashのTシャツ

中学生の時に、初めて買ったのがThe ClashのTシャツ。
中学生にはハードルの高い、地元のパンクショップで勇気を出して購入。

そのTシャツを着ることで、当時大きく影響を受けていたパンクカルチャーのアイデンティティを、周囲に示すことができたんです。

「自分はこれが好きなんだ」
それを言葉じゃなく、見た目で伝えられる感覚。

自分にとって、音楽とTシャツが最初にしっかり結びついたのは、その瞬間だったと思います。


— 自分で刷ったTシャツで、シーンと繋がった瞬間

高校生の頃には、自分でシルクスクリーンでTシャツを作ったりしてました。

当時、バンドTシャツで人気だったNed’s Atomic DustbinのファンアートTシャツ(もちろん自己使用)を自分で作ったことがありました。

そのTシャツを着てCARTER U.S.Mのライブでステージダイブしていた時、Tシャツを掲げて煽った瞬間、観客のみんなと一体になれた感覚があったんです。

同じシーンの音楽が好きで、同じ空気の中にいる。
その中で、その音楽にまつわるTシャツを着ていることで、自分もちゃんとその場にいる実感があった。

好きなバンドのTシャツを着ることって、ただのファッションじゃなくて、そのシーンと繋がることなんだなと実感しました。


— 自分が通ってきた音楽と、Tシャツの感覚

自分はもともと、80sのニューウェーブから音楽を聴き始め、クラッシュやダムド、スティッフ・リトル・フィンガーズみたいな70sパンクに感化されたのち、グランジの興隆を体験し、ビートルズやスモール・フェイセズ、サーチャーズみたいな60sのブリティッシュロックも通ってきました。

それに加えて、モータウンやノーザンソウルみたいなソウルミュージックもかなり好きです。

そういう音楽を聴いてきた中で、音楽と服、特にTシャツが自然に結びついている感覚をずっと見てきた気がします。

パンクにはパンクの、ソウルにはソウルの、音楽の外側ににじみ出る空気がある。
Tシャツって、それをいちばんわかりやすく身につけられるものなんだと思います。


— バンドTシャツじゃなくて「音楽Tシャツ」

一般的には「バンドTシャツ」って呼ばれることが多いけど、個人的には「音楽Tシャツ」っていう言い方の方がしっくりきます。

バンド自身が出しているTシャツだけじゃなくて、音楽から影響を受けて作られたものもあるし、版権ものもあるし、デザイナーが独自の解釈で作ったものもある。

そういうものも含めて、自分の中では全部「音楽Tシャツ」です。

90年代のインディーやオルタナのシーンでも、バンド同士がお互いのTシャツを着ていたり、好きなバンドのTシャツを着ていたりしました。

それを見て、ファンとして嬉しかったし、「このバンドはあのバンドの影響を受けてるんだな」とわかることで、さらに別の音楽に目を向けるきっかけにもなった。

Tシャツって、ただの物販じゃなくて、音楽の繋がりを見せてくれるものでもあると思います。

Ned’s Atomic DustbinのTシャツ展開が当時すごく熱かったのも、そういう意味で印象に残っています。
ライブ会場で買った日本ツアー限定Tシャツもそうだし、その時にしか買えないデザインがたくさんあった。
発泡プリントみたいな手法も使われていて、単なる記念品じゃなく、ちゃんと所有したくなる魅力がありました。


— いいTシャツは、空気とバランスで決まる

「このTシャツ、かっこいいな」と思う基準って、単純にデザインが上手いかどうかだけじゃないです。

空気感とか、バランスとか、着る人との関係性とか。
そういうものがかなり大きいと思っています。

同じデザインでも、着る人の年齢やスタイル、その人がどんな音楽を好きで、どう関わってきたかで見え方は全然変わる。

音楽Tシャツならなおさらです。

個人的には、色数を抑えていて、シンプルで、テーマがはっきりしているものが好きです。
それが普段の服や、その人の感性とうまく調和していると、すごくいいTシャツになると思います。


— ダサいかどうかより、芯があるかどうか

よく「ダサいバンドTって何ですか?」みたいな話になることがあるけど、自分はそこをあまり簡単には言えないと思っています。

ダサいかどうかって、人や状況や時代によってかなり変わるからです。

ただ、ひとつ思うのは、物販を売りたいだけで作られた、愛情の感じられないデザインは、やっぱり芯の部分であまり良くないことが多いということです。

手にしてくれる人のことを考えていないものは、どこかで伝わってしまう。

逆に、デザイン的に完璧じゃなかったとしても、その人の思いや、その時代の空気感がちゃんと反映されているものは、いいTシャツになると思います。

単純にうまい下手の話ではなくて、テーマにどれだけ愛情があるか。
そこが一番大事なんじゃないかと思っています。


— Tシャツは、アイデンティティを着るためのもの

自分にとってTシャツは、ただの服ではないです。

自分の好きな感性やアイデンティティを示せるツールであり、自分の「好き」をそのまま外に出せるものだと思っています。

ウェア全面がキャンバスだから、自分にとって心地いいデザインを身につけていられるし、デザインの良さをそのまま自分の感覚としてまとえるところも面白い。

音楽Tシャツであれば、音楽に対する愛情を示せるし、ひとつのコミュニケーションツールにもなる。
それを見た誰かと、「それ好きなんだ」で会話が始まることもある。

そういう意味でも、Tシャツってすごくいい文化だと思っています。

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